今回ご紹介する3人。写真[左]伊藤あかりさん、[中央]中野可南子さん [右]佐近千皓(ちひろ)さん
一歩中に踏み入れると子どもたちの元気な声が聞こえてくる。ここは上士幌町唯一のこども園「ほろん」だ。今回ご紹介する3人の移住者は地域おこし協力隊の「幼児教育支援コーディネーター」としてここで働いている。
岡山県出身の中野可南子さんは2021年4月に移住してきた。姉が先に上士幌町に移住していたのがきっかけで町を知ったという。可南子さんは仕事以外にも地域の方のホッとできる場所づくりをしたい、と郊外のカフェで「のんきシネマ」という親子の映画鑑賞を企画したりと、地域おこしの経験を活かしてチャレンジをしている。
千葉県出身の伊藤あかりさんは2021年12月に上士幌に移住。あかりさんは「MYMICHIプロジェクト」というプログラムに参加していた。プログラムが終わった後も上士幌に残りたいと思っていたタイミングで、地域おこし協力隊の募集を見つけた。上士幌に残りたいと思ったのは、人との距離感がちょうどよく、自然がすぐそばにある上士幌町のファンになったからだそう。また、自然がすぐ近くにある上士幌では温泉、サウナ、ウインタースポーツなどを通じて冬の北海道も、楽しいことがたくさんあることを知った。
神奈川県から移住した佐近千皓(ちひろ)さんは恵庭市出身。千皓さんはもともと保育士として働いていた。上士幌町が子育てに力を入れていることを知り、「自然がたくさんあって子育て支援に力を入れている上士幌町で子どもたちと楽しいことがしたい!」と、2022年1月に移住してきた。子どもと遊ぶことが大好きなので3年後、協力隊を卒業しても「遊びのプロになりたい!子どもとずっと関わっていきたい」と考えているそう。
3人が働いている認定こども園ほろんには0歳児から5歳児まで、約170人の子どもが在籍している。この園はふるさと納税での支援を受け、2016年4月から給食費を含めた保育料が完全無料となっている。2017年には園舎の裏に思い切り自然体験を楽しめる「ほろんの森」という庭が出来、子どもたちは季節を問わず外遊びを楽しんでいる。そんな園で国際交流、地域・小学校との連携、クラスサポートなど地域おこし協力隊としての仕事は多岐にわたる。
(2022年11月現在、上士幌町では19名が地域おこし協力隊として活躍している。)
出身地も移住した理由も三者三様。一つの町でそれぞれの生活がスタートしている。
3人の、上士幌町を知ったきっかけは違えども、共通しているのが「自然が好き」ということだ。多少不便なことや寒さにびっくりすることもあるが、都会とは違うゆったりとした時間の流れの中で暮らしを楽しんでいる。
仕事のためにそこに住むのではなく、自分が心地よく過ごせる町で、自分の持っているスキルを活かした仕事をする。3年という期限付きではあるが、その期間の中でその町に根付くか、新たなチャレンジに向かうか。地域おこし協力隊は期間の長い「お試し移住」ともいえる制度かもしれない。
★プロフィール
中野可南子さん 岡山県出身 2021年 4月に移住
伊藤あかりさん 千葉県出身 2021年 12月に移住
佐近 千皓さん 恵庭市出身 2022年 1月に移住
現在、ほろんにて、幼児教育支援コーディネーターとして活躍中!
MYMICHIプロジェクト
http://mymichi.net/?msclkid=47058b72cda611eca7c07671a92d1fff