宮﨑さんご家族

香織さんはふたりの子を持つ母親で、東京では外資系の会社に勤める夫と4人暮らしをしていた。そんな香織さんが移住をしたのは2021年3月だった。

コロナ禍になり、夫は平日は出張でほぼ不在だったのが一変、自宅マンションでの在宅勤務がはじまったそうだ。そんな中でもともとあった地方移住への憧れについて、夫婦で現実のものとして話し合う機会が自然に増えていった。
東京での生活は便利で楽しい反面、子育てについては中学受験、塾、習い事に追われる日々にそれ以外に選択肢はないものかと、疑問を抱くようにもなっていた。子どもには豊かな自然の中で、のびのびと過ごしてほしいとの思いが強くなってきたという。
そして、夫婦で話しあい、移住を決めた。

移住は決めたがまだ移住先は決まっていなかった。移住を決めた当初は石狩地方への移住を検討していたそう。だが、香織さんとSNSでつながりのあった人が上士幌町に移住したのをきっかけに上士幌町に興味を持ったという。
移住先を決めるには、その地に行ってみなければ始まらない。そこで2020年8月、香織さんは家族とともに石狩、そして上士幌町へ実際に来てみることにした。上士幌町ではキャンプを楽しみつつ、SNSで知り得た情報を確認して回ったり十勝グルメを楽しんだりした。そんな中、「町唯一の不動産屋、アキマサさん」にふらっと立ち寄ったところ、偶然物件を見学できることになり、なんと、購入することになった。購入した住宅は手入れが必要なため、ご主人が上士幌と東京を行ったり来たりしながら住宅をリフォームし、香織さんは上士幌での生活のため運転免許を取得、2021年3月に上士幌町へ引っ越してきた。

上士幌町に移住してきて約1年、雄大な自然がすばらしいのはもちろんだが、子育て世代に実に優しい、と感じているそう。小学校のクラスには担任以外に大人が2,3人支援に入ってくれている。学校の教材費には町からの援助がある。また、通学時に困っていたら通りすがりの人が助けてくれたと嬉しそうに娘さんが報告してきたこともあったという。都会では不審者情報が頻繁に入ることも、トラックをかいくぐって信号を渡っての通学も心配だったが「ここでは安心して通学させられている」と、香織さん。
息子さんも上士幌での生活に慣れるに従い、初めて野球チームに入ったり、クラスの友達と都会ではできないような遊びを楽しんだりと、息子さんの大きな変化がうれしいそうだ。

ただ、いいことばかりではないと、香織さん。買い物は音更や帯広に出るまでの長距離移動で時間がかかり、その分のガソリン代もかかる。
また、雪道の運転や小児科と大きな病院が遠いなど東京での暮らしとは違うこともあるが、それでも上士幌町に移住してきたのはなぜ?
人生の中で何度もある選択の場面、デメリットを知ったとしても香織さんにとって「人生を豊かにする」ための選択をしていったら上士幌にたどり着いた、ということのようだ。

宮﨑さんご家族
都会とは違う遊びを楽しんだりと、子どもたちの変化も嬉しい。

宮﨑さんご家族
宮﨑さんが開業した「プラスベースKamishihoro」新しい上士幌町の楽しみ方を提供している


★宮﨑さんご家族プロフィール
2021年3月、東京都大田区から北海道上士幌町へ家族4人で移住
2022年4月からワ―ケーション施設&民泊「プラスベースKamishihoro」開業
https://plus-base.com/